ニコラハウスの秘密

160616_久々野智-小哲津インタビューバナー_メインタイトル

ニコラハウスブランドプロデューサー 久々野智小哲津さんに直撃インタビュー。
(聞き手:ライター 大島七々三)      

in01

うさぎシュークリームでお馴染みのニコラハウス。2014年1月のオープン当初から話題となり、テレビや雑誌など各種メディアに多数、紹介されてきた。あれから2年半がたった今も行列の光景は変わらない。だが、このお店を知れば知るほど、謎が広がってしまうのは、私ばかりではないはず。
というのも、このお店で出すスイーツや料理を手掛けるフランス人料理研究家のニコラシャール氏はフランスの一つ星レストランで働いていた腕利きの料理人であるにもかかわらず、オレンジ色のうさ耳帽子とベストというファッションに身を包み、まるでタレントのように「メルシー!」の明るい一声を上げる。ニコラカフェに入れば、派手な色のバルーンが天井に無数に浮かび、周囲はうさぎのぬいぐるみやフランスのアンティークで埋め尽くされている。そこにはキティやキキ・ララなどサンリオのキャラクターのぬいぐるみも混じり、お客さんまでがうさ耳をつけているという不思議な空間。見た目には、子どもや10代の若者だけを対象にしたキャラカフェのようにも映る。

ところがうさぎシュークリームはどれも手が込んでいて、生地から中のクリーム、素材にいたるまで、しっかりと手をかけ品のよい味付けが施されている。味のわかる大人こそが喜ぶスイーツなのだ。さらに、そこで出される料理の種類は豊富。さすが本格フレンチと和食の腕を持つニコラさん! だが、お店の一押しランチが「お子様ランチ」。それも「(大人用)」とある。どこかバランスがおかしい。なのに、その絶妙ともいえるアンバランス感に漂う居心地のよさに、気づけば浸っている。

いったいニコラハウスとは何をめざしたお店なのか。ニコラファンなら密かに心に抱いている疑問や謎を解明したいと、今回、ニコラハウスのブランドづくりを手掛けるブランドプロデューサー、久々野智小哲津さんにインタビューさせてもらうことにした。

ニコラハウスのVIPルームで2時間に渡り、謎に迫る直球の質問を投げ続けた結果、これまでのカフェやレストランの常識を越えた、久々野智氏の温かい思いが次々に飛び出してきたのだった。

in02

ニコラハウスブランドプロデューサー 久々野智 小哲津(くくのち こてつ)

海外スイーツブランドの日本進出をおこなう。国内外、アパレル、宝飾、ホテルのブランドプロデュースやアドバイス。オリジナルブランドであるニコラハウスでは、ブランドコンセプトから衣装デザイン、店舗デザイン、メニュー開発から、テレビメディア戦略、ニコラ自身のタレント化まで、総合プロデュース、メイソンジャーサラダやうさぎシュークリームの仕掛け人としても知られ、時代にフィットしたプロデュースに定評がある。
すでに成功しており経験豊かで、さらに成長を目指す企業の社長が集まるクローズドの勉強会の指名を受け、「今の時代のブランドの作り方について」講義をし、「今の時代の継続的なお客様作りについてのアドバイス」を行うなど、活躍中。
フランス最高級ショコラブランド「Hirsinger(イルサンジェー)」の本店以外では世界唯一のお店を、表参道でオープンした。

in03
ビジネスライター 大島 七々三(おおしまななみ)

1964年、岡山県生まれ。88年、同志社大学卒業後、ビジネス系出版社を経て独立。その後、『週刊SPA!』を中心に週刊誌・月刊誌の取材記者として活動。現在は雑誌『プレジデント』などのビジネス誌で企業ルポを手掛けるほか、各種メディアで企業の経営者をはじめ文化人、芸能人など幅広いジャンルのインタビューを手掛ける。最近では社会貢献を目的に起業する若手起業家をテーマに取材活動を行う。著書に『社会起業家になる方法』『農業を起業する』(アスペクト)、『社会起業家の教科書』(KADOKAWA)、共著に『3歳までの育て方で子どもの脳は決まる!』(PHP研究所)などがある。

 

160616_久々野智-小哲津インタビューバナー_サブタイトル1

in04自身がプロデュースしたニコラハウスについて熱く語る久々野智氏

――久々野智さん、今日はよろしくお願いします。さて、最初のご質問はズバリ、料理研究家であり、本格的なフランス料理のシェフであるニコラシャールさんが、なぜ“うさ耳”の帽子を被り、なぜあんなにもかわいい店づくりをしているのか、という点について教えてもらえますか?

久々野智 僕が、ニコラさんという才能を“発見”したときに、この才能をうまく世の中に伝えることができれば、必ずみなさんに受け入れてもらえると確信していました。ニコラさんが手掛ける料理とスイーツのおいしさ、自由奔放なアイデア、“ニコラマジック”とも言える味の驚きや食感の驚きを、僕のほうでうまくパッケージングしてみなさんにお伝えしていく。そうすることで、必ずみなさんに喜んでもらえると思って考えたわけです。

ニコラハウスのアイコンスイーツ・うさぎシュークリーム
ニコラハウスのアイコンスイーツ・うさぎシュークリーム

その一つが、うさぎシュークリームを作るニコラさん自身がうさ耳の帽子を被るということだったんです。なぜうさぎなのかというと、直接の理由はニコラさんが子どもの頃からうさぎが大好きで、それをヒントに私がイメージをカタチにした、ということになります。
ニコラさんがつくるスイーツや料理は、来ていただいた人ならおわかりのとおり、本当においしい。ただ、今の世の中は残念ながら、おいしいというだけでは、人の心に届くわけでも、響くわけでもないんですね。ある種のエンターテイメントだったり、それに触れるための何らかのフックなりが必要です。楽しさやドキドキがないものって、世の中に受け入れられない時代になっていると僕は思っているんです。

――私たち一般の人間から見れば、「フランス出身の料理研究家、ニコラシャールさんのお店、それがニコラハウス……」のはずですが、ニコラハウスを語るうえで、ニコラさんに負けず劣らず重要な存在として久々野智さんはファンの間にも知られています。ところで、そもそも久々野智さんって何をしている方なんですか? 「ブランドプロデューサー」とはどういうポジションで、何を考えている人なんでしょう?

久々野智 そこって、そんなに不思議ですか?(笑)わかりました、わかりやすく説明すると、「ニコラブランドとは何か」というのを考えるのが僕の役割なんです。そして僕は、ニコラハウスのブランドを通して何を提供したいかというと、「キラキラした思い出をみなさんに持って帰ってもらいたい」ということなんです。

今の世の中はもう、モノは十分に揃っています。そうした中で、今、最も価値のあるものは何だろうっていろいろ考えてみると、それは“思い出”だと僕は思っているんですね。よくマーケティングの専門家の方々は、「体験」こそに価値があるというふうに言ったりしますが、人生で経験するたくさんの体験の中で特別に頭に焼き付いて、いくつになっても振り返りたくなるような、自分の人生にとって一番大切な体験が思い出です。

友だちと、あるいはご家族とニコラハウスに来て、料理やスイーツを食べて、写メを撮って、ドキドキする体験をしてもらいたい。そして、「原宿のニコラハウスへ行って楽しかったな~」という、キラキラした思い出をみなさんに作ってもらいたいのです。

楽しかったニコラハウスの思い出の中で、一つのパーツが料理の味かもしれないし、うさぎをモチーフとしたシュークリームのカタチかもしれないし、かわいかった天井のバルーンかもしれません。とにかくお客さま一人ひとりに楽しい思い出の1シーンを提供するのが、ニコラハウスという空間なんです。そしてニコラさんをはじめ、お店のスタッフみんなでその空間づくりをするための取りまとめが、僕のしているシゴトなんですよ。

160616_久々野智-小哲津インタビューバナー_サブタイトル3

160616_久々野智-小哲津インタビューバナー_サブタイトル3

160616_久々野智-小哲津インタビューバナー_サブタイトル4

160616_久々野智-小哲津インタビューバナー_サブタイトル5